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長期金利5年ぶり高水準、市場は日銀の政策点検に絡む対応を注目(2) - ブルームバーグ

長期金利が2016年のマイナス金利政策導入後の最高水準を更新した。前日の米国市場で長期金利が急上昇したことが背景だ。市場では、日本銀行が3月に発表する政策点検で長期金利の変動許容幅を拡大するとの思惑もくすぶっており、当局が目先の金利上昇にどう対応するか注目が集まっている。  

  • 新発10年債利回りは前日比2.5ベーシスポイント(bp)高い0.165%。早朝には一時0.175%と、16年1月以来の高水準を付けた
  • 米10年債利回りは1.6085%と1年ぶりの水準まで上昇
  • 長期国債先物3月物は一時49銭安の150円38銭と、中心限月で18年10月以来の水準まで下落。午後は下げ幅を縮めている

  日銀は昨年12月の金融政策決定会合で、2%の物価目標を実現する観点から、3月会合をめどに「より効果的で持続的な金融緩和を実施していくための点検を行う」と表明。市場では3月18、19日の会合で日銀が長期金利の変動幅を拡大するとの観測が強まっていた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミストは、長期金利は経済正常化を期待する良い上昇から、リスク削減の加速による悪い上昇につながりつつあり、現行の上限である0.2%に近づけば「日銀から何らかのけん制があるはずだ」とみる。3月の政策点検時に長期金利がなおも上昇していれば、変動幅拡大は「金利上昇容認と受け取られる懸念もあり動けない可能性もある」と語る。

  長期金利は午前の取引開始から間もなくして5年ぶりの高水準を付けた後、売り圧力がやや後退している。市場が注目した日銀による定例の金融調節では特別な国債買い入れオペの通知はなく、債券相場は総じてもみ合い状態だ。

  日銀の黒田東彦総裁は午後の衆院財政金融委員会で、長期金利について「ゼロ%程度から上げていこうということではない。現在はイールドカーブ全体の低位安定が重要」と指摘したものの、相場の動きは限定的だった。

  日銀は16年1月29日の金融政策決定会合でマイナス金利政策の導入を決定。それまで0.2%台で推移していた長期金利は急低下した。日銀は同年9月に長短金利操作を導入し、18年7月に長期金利の変動許容幅を従来のプラスマイナス0.1%の2倍に拡大した。長期金利はその後、マイナス金利導入後の高水準となる0.155%を付ける局面もあったが、今月に入るまで過去2年間0.1%を下回る水準で推移していた。

新発10年物国債利回りの推移

  麻生太郎財務相は閣議後会見で、長期金利や為替の安定のために財政の信任を保つことが大事だとしつつ、足元の金利上昇については「現時点で適切だ適切でないとコメントしない」と述べた。 

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